3DSとは「dental drug delivery system」の略で、抗菌剤により虫歯菌や歯周病菌を除菌し、虫歯や歯周病の予防を行う方法です。3DSは日本ではまだ導入実績が少ないですが、世界で認められた最新の予防治療であり、当院が自信をもってお勧めしている予防法です。
3DSの特徴をこれからご紹介いたします。
3DSの魅力はなんといっても、その圧倒的な除菌力と抗菌力
にあります。
専用のマウスピース(ドラッグリテーナー)に薬剤を注入し
装着することで除菌するだけですので、患者さんへの負担も
かからず、治療も短期間で終了します。
虫歯や歯周病は「感染症」ということはご存知でしょうか?
感染症であるからには、その感染源である「菌」にアプローチしなければ根本的な解決にはなりません。
原因菌を除去しなければ、当然のことですが、むし歯菌・歯周病菌は再度繁殖し、むし歯・歯周病の温床となります。3DSは原因菌の数を限りなくゼロに近づける治療ですので、継続使用することで、虫歯・歯周病の圧倒的な予防となります。下の画像は治療前と治療後の細菌数を表現したものとなります。
3DSは虫歯や歯周病の原因菌を除菌するだけでなく、口臭改善にも効果があります。
口臭の原因は9割が口腔内の細菌によるものであり、特に歯周病が進行している方は口臭も比例してきつくなる傾向があります。3DSを利用することで、この口臭の原因となっている原因菌を除菌しますので、口臭も改善します。
3DSの特徴を理解頂けたところで、ここからは3DSの治療内容について説明いたします。
3DSを始める前にまずは「唾液検査・顕微鏡検査・口臭検査」を行います。唾液検査では唾液量、虫歯や歯周病の原因となる細菌の数などを確認し、客観的なデータに基づいた当院オリジナルの予防プログラムを作成します。
当院では3DSの一環として、口臭レベルを数値で表現する、
「オーラルクロマ」という口臭測定器を導入しております。
これにより、患者さんに対し根拠に基いた現状をお伝えする
ことができますし、術前術後の口臭測定により改善レベルも
患者さん自身が理解することが可能になります。
3DSはプラーク(歯垢)などが残っている状態で行うことはできないため、事前にお口の徹底的なクリーニングを行います。
唾液検査の結果から、3DSが必要と判断された患者さんは専用の
マウスピース(ドラッグリテーナー)の作成に移ります。
※この専用のマウスピースは特許を取っております。
このマウスピースに除菌剤を入れます。専用のマウスピース
なので除菌剤を効率的に歯面に作用させる
ことができます。
一日一回、ブラッシング後に患者さんご自身で除菌を
していただきます。
専用のマウスピース(ドラッグ・リテーナー)に専用の薬剤を
注入し、装着します。一週間程続けます
再度、医院にて再検査となります。
唾液検査等をおこない、細菌数が基準値以下であれば3DSを終了します。
最近の研究では、虫歯菌・歯周病菌などの悪さをする菌は、
糖尿病や心臓・血管の疾患、内臓疾患など多くの病気の
危険因子になることがわかっていますので、虫歯・歯周病
はお口の中の問題だけでは済まないという認識を皆様に
持って頂きたいと思っております。
また、3DSは万能な予防法ではありません
3DSによる効果は、患者さんの歯質・症状・体質・生活環境
などにもより個人差がありますが、概ね約2ヵ月~12ヵ月
持続すると言われています(平均的には4ヵ月程度)。
そのため、3DSを実施したからと言って、歯を磨かなくても
いいわけではありません。
日ごろのブラッシングは、どんなときでも基本です。
最後になりますが、3DSで健康なお口を手に入れていただくことで歯に対する考え方が変わり、今まで以上にご自身のお口の健康について真剣に考えていただけることを心より願っています。